タチウオが丼からはみ出る大きさ
ここがおすすめ!
静岡・沼津港のほとり、漁協直営の水産物展示即売所2階に今年7月に開業しました。
暖簾をくぐると、市が認定する「おさかなアートクリエイター」の肩書をもつスーパー小学生・鈴木翔太君の海と魚を描いた壁画が出迎えてくれます。
海側に沼津港、山側には富士山と絶好の景色の中で、お値打ち価格の地魚料理が楽しめます。
鈴木君の壁画をバックに、今回紹介役となってくれた青嶋参事
豪快一本天丼
一本釣りの小船36隻が所属するJF沼津我入道漁協の特産は、駿河湾で獲れたタチウオです。
西日本では人気の魚ですが、地元含めて東日本での知名度はあまり高くありません。
そんな現状を打破しようとメニューの多くをタチウオ関連で揃えました。中でもド派手な見た目なのが、青嶋浩参事がいち押しする「太刀魚の豪快一本天丼」(税込み1,320円)です。
丼の直径の2倍はあるタチウオの天ぷらの見た目は圧巻のひと言です。
野菜の天ぷらは同じく静岡県東部の御殿場JA直売所で仕入れました。
コメには御殿場コシヒカリを使用しています。細部まで地元産品で揃えています。
「インパクト重視なんです」と青嶋参事が語る通り、SNSをしていなくても思わず写真に収めたくなる見栄えをしています。
使われているタチウオは「魚市場の規格では小サイズ」に相当するそうですが、食べ応えは抜群です。
日替わり味噌汁はカニ入りで香の物まで平らげて1,000円台前半はお得感があるなあ、と感じました
海側は沼津港が一望できます。山側には富士山が大きくどーんと見えますが、この日は曇りで展望が効きませんでした
タチウオを地元に浸透
沼津港においてタチウオに下される評価は極端で、良型はほとんどが高級魚として県外出荷されていきますが、一尾200~300グラムの小型魚はキロ100~200円にしかなりません。
地元の漁師が頭を悩ませていたこのジレンマを解決するため、今回の「市場めし食堂」のプロジェクトは立ち上げられました。
魚市場の買参権を取得した漁協が小型タチウオをキロ400円前後でセリ落とします。底値にくさびを打ちこむことで、タチウオの全体相場のアップにつながっているということです。
漁協が仕入れた魚は直営の食堂でPR用に有効に活用します。
特に小型は薄皮で、身との間の薄脂は刺身でこそ生きます。
港からすぐの高鮮度だからできることだそうです。
青嶋参事は「沼津港には東京方面からの観光客が多いですが、あちらでのタチウオの知名度はまだまだです。
まずは地元の人々に知ってもらって、ゆくゆくは市民が誇りをもつ特産に育てて、市の観光の目玉にしたいと思います」と、壮大な構想を描いていました。
鈴木君の書いた壁画全体になります。鮮やかな色遣いが特徴です
地元の常連さん獲得のためにポイントカードを運用しています
1階即売所との共通ポイントカードがあるのも地元PRを重視しているためです。
500円ごとにスタンプ1つがもらえます。30個集めると「定食1食無料か土産1,000円割引券になります」(青嶋参事)。
規定数を集めた暁には、豪華かつ珍しいタチウオ蒲焼定食などを堪能したいところです。
店舗情報
- 営業時間
- 午前11時-午後3時(ラストオーダー午後2時)
- 住 所
- 〒410-0823 静岡県沼津市千本港町128-1
沼津我入道漁協水産物即売所2階 - 電 話
- 090-5850-6407
- 営業日
- 土・日・祝(定休日は不定休)
- 地 図
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