昼の魚河岸食堂でおすすめをうたっていた「中落ち刺身定食」
ここがおすすめ!
天然マグロ中心に鮮魚全般を扱う豊洲仲卸㈱鈴富のテークアウト直営店のうち、イートインできる唯一の店舗。寿司店と食堂が隣り合う珍しい構造で、実験店的位置付けの魚河岸食堂は「家庭の魚惣菜を残したい」(鈴木勉社長)と奮闘しています。
店頭で鈴木社長。二子玉川店は11年の施設開業当時から営業
中落ちこそぎ取る楽しさ
カウンターが背中合わせに並ぶイートインスペースに入り、魚河岸食堂側のメニューでランチの「おすすめ」をうたっていた「中落ち刺身定食」(税込み1,320円)を頼んでみます。
マグロの中骨と銀スプーンが乗った大皿が出て思わず目を見張りました(;^ω^)。
ビニール手袋をした手で中骨を押さえつつ、スプーンで骨から身をこそぎ取り、スプーンにモリモリとたまる赤身をたまり醤油につけて口にすると、骨の髄から染み出た濃厚なうま味が堪能できます。
残った身を表裏から探し出す過程も楽しい~♪
今でこそ中落ちは人気ですが、鈴木社長が「得意先に出せない部位を何とか工夫して、マグロが好きだけれど値段が高いために気軽に食べられない層へ提供する」という、直営店に対する姿勢の一端を知れるメニューです。
これは注文マストですね。
「つきじ鈴富 二子玉川店」のイートインカウンター(左)と「つきじ鈴富 魚河岸食堂」のイートインカウンター(右)が背中合わせに隣り合うように出店しています
残された部位を工夫して
新宿・伊勢丹で30年前に「マグロ丼」を初めて売り出し、その後のブームの火付け役となった先駆者だからこそ、仲卸直営店のあり方にはこだわりがあるそうです。
「『流通をやっているから他店と同じ食材を安く売れる』をやりだしたらお得意先様に迷惑がかかるし、安易な中間流通不要論を焚きつけ、自ら首を絞めることになる」と鈴木社長はお話されます。
ゆえにメインの天然マグロで自分の店に卸す部位は、お得意先様が求めるグレードをすべて売った後のもの。サク取り後の切れ端や、シミのひどい赤身、筋が多いトロなどを、調理技術で手間暇かけて提供可能なメニューに生まれ変わらせます。
「外から来た職人には『何でこんなイマイチな食材を使うんだ』と驚かれることもあります。でもそこはセンスと腕が試される職場なので自然、マグロのエキスパートになります」と鈴木社長。
しかし、運動量の高さの証である筋を丁寧にはがした身はうまいし、切り方の工夫をすれば端材も美しい見た目に仕上がります。もともとはお得意先様の求めるグレードの高いマグロ。扱いづらいだけで、工夫次第では消費者においしく値ごろに提供できるのです。
「鮪メンチカツ」は肉に質感の近い眼の周りの肉を使っています
魚河岸食堂側でテークアウト販売する「鮪メンチカツ」(税込み324円)は、肉に質感が近い「マグロの眼の周りの肉を使った」(鈴木社長)揚げ物です。
食感と風味に優れ、臭みもありません。まるで本物のメンチカツを食べているようです。
本マグロの大トロなどを使った「店長おまかせ」の詰め合わせ
シロエビ、天ブリ、小イワシを具材にした「寿司屋ののり弁」
寿司店側の壁には築地期の「鈴富」の写真などを掲出しています
店舗情報
- 営業時間
- 午前10時00分~午後9時00分(ラストオーダー午後8時)
ランチ・午前10時~午後3時 - 住 所
- 〒158-0094東京都世田谷区玉川2-21-1
二子玉川ライズショッピングセンター地下1階 二子玉川東急フードショー内 - 電 話
- 03-6805-7248
- 定休日
- なし
- URL
- https://tsukijisuzutomi.hp.peraichi.com/mochikaeri
- 地 図
- Google Mapで地図を見る